主な診療内容 Mental Disorders
当クリニックで診療する疾患の一例です。
これらの症状に限らず、まずはお気軽にご相談ください。
ただし、依存症、パーソナリティ障害、性同一性障害の治療は、特別なプログラムが必要となるため、当院での診療をお受けできない場合があります。
うつ病
うつ病は、ゆううつな気分、やる気が出ない、考えがまとまらない、などといった症状が2週間以上ほとんど毎日続く病気です。また、眠れない、食欲がない、体がだるい、肩がこる、頭が重たい、などといった身体の症状が現れることも多いです。体調不良で病院を受診し、血液検査、心電図、CT/MRIなどの検査を受けても大きな異常は見つからず、異常なしと判断されて適切な治療を受けることなしにうつ病が長引いてしまうこともあります。
認知症(痴呆症)
認知症は、年齢と共に低下する精神活動の範囲を超えて、認知機能が異常に低下する状態を表す言葉で、特定の病気を指す言葉ではありません。認知症を引き起こす原因となる病気には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、脳損傷、脳腫瘍などいろいろなものがあります。認知症では、記憶などの認知機能が障害されるだけでなく、失禁や歩行障害などの神経症状や、失くしたものを誰かに盗られたと訴えたり、性格が変化して怒りっぽくなるなどの精神症状を伴うこともあります。認知症は病気です。原因となっている病気によって治療法や対処法が異なるため、年のせいだと考えず、早めに専門機関を受診してください。
統合失調症(精神分裂病)
統合失調症は約100人に1人の割合でみられる頻度の高い病気で、主に思春期から青年期に発症します。昔は「精神分裂病」と呼ばれていましたが、2002年からは「統合失調症」という名前に変更されました。幻覚や妄想などといった陽性症状の他、意欲の低下や感情の鈍麻などの陰性症状などがみられ、再発により慢性化すると社会生活が困難になることもあります。また、認知機能も低下して集中力や記憶力が低下することもあります。
強迫性障害
この病気では、自分で無意味だと分かっていても、ある考えがいつまでも頭から離れない(強迫観念)、ある行動を繰り返さないと気が済まない(強迫行為)などの症状のため、社会生活に支障をきたします。薬物療法と行動療法を行いながら、落ち着いて治療に取り組めるような環境作りを工夫します。
パニック障害
突然に激しい不安を感じて、動悸、めまい、呼吸苦、しびれ、冷や汗などが出現する発作(パニック発作)を繰り返します。はじめは心臓や呼吸器の病気だと思って一般科の病院を受診することが多く、そこで検査を受けても異常は指摘されません。また、発作はとても苦しく、このまま死んでしまうのではないかと思うこともあり、またあの発作が起きるのではないかという不安が強くなります(予期不安)。そのため、一人で外出ができなくなったり(広場恐怖)、発作が起きた場所を避けたり(回避行動)し、慢性的なうつ状態となって社会生活が著しく困難になることもあります。治療は、薬物療法や行動療法の他、喫煙、過労、睡眠不足、カフェイン摂取などの生活習慣の改善も重要です。
全般性不安障害
いろいろな出来事や日常生活について、過剰な不安と心配が長期にわたって持続する病気です。その結果、心身ともに不調となって、日常生活の様々な場面に支障をきたします。ある程度の不安は正常な反応ですが、この病気では非常に強い不安がほとんど毎日のように続き、著しい障害や苦痛を伴います。これらの不安はひとりでに沸き起こり、止めたり注意をそらしたりすることができず、慢性の頭痛、めまい、胃腸症状などのため一般科を受診することが少なくありません。
社会不安障害
他人に悪い評価を受けることや注目を浴びることに対する不安から、強い苦痛や身体症状が現れ、次第にそうした場面を避けるなど、日常生活に支障をきたします。人前で何かをしなければならなかったり、初対面の人と接したりするとき、最初は不安を感じても時間とともに慣れていくものですが、この病気では、不安を感じ続けたり、過度な不安感や恐怖感を持ってしまい、それらを感じる場所を避けるなど、社会生活に大きな支障をきたします。
適応障害
日常のストレスに対応できなくなり、気持ちが落ち込んだり、過度に心配になったり、自暴自棄になるなど普段とは異なる行動がみられたりします。そのため、通常の日常生活や社会生活において支障をきたします。はっきりと原因となるストレスがあり、このストレスが消失してから半年以内に症状も改善します。ただし、他の精神疾患の前兆として、適応障害に似た状態が見られることもあります。
睡眠障害
眠れないという不眠症は代表的な睡眠障害ですが、その他にも、過眠症状がみられるナルコレプシー、睡眠中に呼吸障害がみられる睡眠時無呼吸症候群、睡眠中に異常行動を起こすレム睡眠行動障害などがあります。
身体表現性障害(心身症)
原因となる身体疾患が見当たらないにもかかわらず、頭痛、下痢、疼痛、発声困難、歩行困難など、さまざまな身体症状を訴える病気で、昔は心身症と呼ばれていました。決して病気を装っているのではなく、本当に何か重大な体の病気があるのではないかと思い込む傾向があります。このため、いろいろな病院を転々と受診しますが、どこの病院でもほとんど異常は指摘されません。実際に症状を引き起こす可能性のある身体疾患が見つかることもありますが、症状の重症度や持続期間を説明するには不十分なことが多いです。
自律神経失調症
人間の身体は、自律神経を構成する「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経がバランスを取ることにより、身体の機能を一定に保っています。ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れると、様々な身体症状や精神症状を引き起こします。一般科で検査をしても症状を裏付ける異常は見つからないことが多く、あきらめて我慢している方も少なくありません。
発達障害
子供や思春期の頃に発達障害とは気づかず、成人して社会に出た途端、うまくコミュニケーションが取れないため、職場などでトラブルを引き起こしてしまいます。大人の発達障害の特徴として、 「整理整頓が苦手で、書類の整理ができない」 「誰にも聞かずに勝手に判断してしまう」 「仕事のミスが多い」 「時間が守れない」 「落ち着きが無い」 「コミュニケーションが苦手」 「場の雰囲気が読めない」 「キレやすい」 といったことがあります。 こういった症状のせいで、周囲から孤立してしまい、うつ状態や引きこもりになってしまうケースが増えています。